2017年9月6日水曜日

期間中最長の行動時間。 白山ジオトレイル4日目

昨日の夜に配られた地図はこれまでと違って茶色かった。つまり、標高が高いということが一目でわかる地図だった。地図の端にいつも記載されている高低差グラフを見ると、これまで200m間隔で打たれていた目盛りが白山ステージに限っては500m間隔になっている!白山山頂の高さは2,702m、いかに高低差が大きいかということを如実に示していた。
ひと部屋に寝ている人数が多い分、やや騒々しくて目が覚める。予定時刻より早く沸いていたお湯をいち早く見つけ、朝3:00という早々に朝食を食べる。今日はタイム計測が無い分気は楽だが、変わらず膝裏、ハムストリング下部は痛いので無理せずゆっくり登ろうと誓う。

3時頃にザーザー降っていた雨は幸いにしてスタート直前に止んだ。気分はよい。しかしスタート集合場所に来てからも雨具を着ていこうかどうしようか迷ったりしてバタバタ。挙げ句の果てには辺りは真っ暗なのにヘッドライトを出していないという始末。慌てて出して、暖かいので雨具は着ずにグループでスタートした。
最後の水補給CP1まではロードですぐ。日の出までは時間があったが、ライトをつけなくても歩くことはできる程度のほの明るさだった。
これから突入する国立公園内ではストックの先にキャップを取り付けるべきであることに気づき、CPで荷物をガサゴソして時間がかかった。グループの皆を少し待たせ、ようやく取り付けて登山道を登り始めた。しかし道中ところどころに深いぬかるみがあり、突いて歩いている間に片方ずつキャップはさらわれてしまった。泥に手を突っ込んで探してみたが見つからず、結局キャップなしで、道や気の根っこを傷つけないように、衝く場所に気をつけながら登っていった。

前半は足の痛みが強めで、グループ内では後ろの方で進んだ。登っても登っても続く登り。気温は徐々に下がってきて快適、そして周囲はほぼずっとガスっていて景色なし。修行のように、ただこなすだけのように進んでいく。



中間やや手前の奥長倉避難小屋で4時間経過。過去に比べてやや早めだというので、少し嬉しかった(ただ実際にはそんなことはなかった)。
その後天池、油池と過ぎていく間に流石に寒くなり、自分は雨具に加えてダウンジャケットまで着た。それでも雨風激しい山頂付近では非常に寒く、だんだんと早くこの場所を離れて体温を維持できる場所に行きたい、という考えしか浮かばなくなってきていた。 


それでも大汝峰の神社に辿り着いたときは、小さくとも立派で荘厳、よくここまで来たという達成感を抱いた。


あとは室堂に向かって下りるだけ、というとき、先導スタッフ山崎さんがまさかのコース失い。崩れやすい斜面を皆で通るはめになったのはご愛嬌。自分はと言えばしっかり地図を見て、まっすぐ南へ下りていかなければならないのに西斜面にいることを確認し、多少強引に道へ戻った。オリエンティアならではの地図読みに対する自信による行動だとは思う。
道に戻った後は、開けたところで(周囲の視界はないが)木村カメラマンが待ちかまえていた。とても元気である。
そして目に入ってきたのは万年氷。この真夏でも厚く積もった雪氷が広がっていた。感動ものの景色である。中国人ペア、特にタオさんは非常に興奮して写真を撮りまくっていた。


そしてまたさらに1kmほど歩いて室堂にようやく14:30到着。10時間行動をすることになるとは思っておらず、これまで6時間以下だったので身体に堪えた。足は登るほどに筋肉が温まってか、痛みは気にならなかったが、休むとぶり返す感じだった。
続々と室堂に到着する後続グループたち、彼らに1階を譲るように僕は2階に荷物を上げ、自分のスペースを広げて荷物を確かめた。4日目ともなると食料は目に見えて減ってきている。残りの日数でいつ何を食べるかを考えつつ、整理し直した。カロリー計算・食料配分は完璧だったように感じた。1階のテーブルではアルコールも入れて談笑する人の声が響いていた。皆、安堵感や解放感などなどに包まれているのだろう。
最終グループも難なく(?)室堂に明るいうちに到着し、早めに明日のブリーフィング。御来光は全く拝めそうになし。残念に思いつつも、無事に下りられることを願った。
高度のせいか疲労のせいか、大会中初めて顕著に浮腫んだ脚を珍しく眺めつつ、貸し出された布団と毛布、+寝袋にも包まれて就寝。毛布の肌触りはなんと柔らかいことだろうか。

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