2017年9月7日木曜日

若岡さんへの意識。 白山ジオトレイル5日目

今日は、朝6:30までに各自で白山最高峰である御前峰に登頂して室堂まで戻ってくることになっている(標高差約250m、通常往復1時間程度)。晴れていれば御来光が拝めるので日の出前に登る意欲100%だが予報では晴れる確率0%なので、自分はできれば遅く出発しようと思っていた。
その一方で早く出発する人はどんどん出発していき、次第に小屋から人が減っていって、時間に余裕があることは頭では分かっていても心細くなってきた。結局予定より10分以上早く、スタッフのほかには若岡さんのみを小屋に残して室堂を出発。

寒さ対策ウェアギアをフル装備来て出て行ったが、朝なのに昨日の風雨時よりはいくぶん暖かかった。そして空は灰色で見えないが明るくなり始めている。奥宮神社で写真を撮ったりしながら少し登ったところで暑くなってきて手袋やネックウォーマーを外して冷気導入。そうしているうちに後ろから若岡さんもやってきた。若岡さんも少し暑そうにしていた。
自分は脚を労ってゆっくり登って、登頂から下山してくる選手たくさんとすれ違ったが、最後まで若岡さんには追いつかれず、僕が山頂で見事にガスガスの写真を撮ったりしている間に下っていったようだった。


6:05には室堂へ戻ってきた。時間があるので辺りを少しだけ見物すると、広く快適な拠点であることを実感した。晴れた日にまたゆっくり訪れたい。
全員で記念写真を撮り、約6kmの距離がある別山へ昨日と同じグループで出発。雨によるスリップを懸念し、辿るルートは予定より1カ所変更されていた。運営側による、環境への影響も含めた配慮である。脚調子は、面倒・節約のため昨日から貼りっぱなしのテーピングの効果もあってか、また少し快復してきたか、特に大きな問題ではなかった。
所々にある泥濘の道はできるだけストックで回避。木道ではストックを衝かない。そんな場所も含めてほぼシングルトラック続き。登りはそこそこ。切り立った大屏風の尾根は美しかった。
たどり着いた別山では、相変わらず天気が悪かったが、「着いちゃったか、これであとは下るだけか」という感想。後ろの第2班とそれほど離れておらず、下山路分岐までの間にすれ違った。ハイタッチを交わす。

下山路はひたすら下り。何度かストックや脚を滑らせて転ける。しかしケガには至らず良かった。下るほどに天気は回復傾向かつ気温は上がり、避難小屋に着いても標高は1900mほどあったが、レースウェアにウィンブレを羽織るくらいで大丈夫だった。
地元でも人気スポットらしい、霧がかった幻想的なブナ林を抜けつつまだまだ下る。次第に空は晴れ、暑くなってきた。曇雨天下での行動時間が長かったおかげで、久々に青空を見た気分であった。



林道まで出てまた少し歩くと、タイム非計測区間の終了地点、市ノ瀬に到着してスタッフの歓迎が待っていた。そこでは山の中でさんざん湿った衣類を道路に広げて乾かすことを試みる人が、若岡さんを皮切りに続出。自分も整理がてらやってみたら、少し乾いた。



身体には水分もしっかり補給して、10km少々のロードコースへ順次スタートする仕組み。久保田さんを先頭に、チャイニーズペア、志村さんを見送って自分がスタート。早々に3名は抜いて、久保田さんを追いかけることをモチベーションに走る。しばらく見えず、辛いのは辛いが1時間ほどで終わると考えつつ走る。カメラマン田上さんに車で追い抜かれつつ何度か撮られる。久保田さんに追いつく前に、自分より後のいつスタートしたか分からない若岡さんが知らぬ間に後ろから軽快に追いついてきた。抵抗する間もなく圧倒的なスピード差で簡単に抜かれつつ、「ファイトで~す」と声をかけられる。離されて見えなくなるまでも早かった。
それでも前を追うモチベーションは途切れず、7-8kmあたりでペースダウンした久保田さんを捉えてハイタッチを交わしつつ若岡さんによる抜かれ方に共感しつつ追い抜く。後はゴールまでの距離を地図で確認しつつ最後までペースを維持して林西寺へフィニッシュ。先にフィニッシュした若岡さんはコースを逆走していってしまった。後で確認すると、若岡さんとは2割ほどのタイム差があった。

自分は休憩を優先させたくて、しばらく休んだ後テント場に移動。洗濯と食事を済ませ、風呂に入って歴史的町並みの残る白峰の街を少しだけ散策してまた休む。明日、最長第5ステージの地図が配られており、緊張していたかもしれない。

例年第5ステージでは速い人がそれ以外の人より後にスタートする。ナイトステージを速い人にも体験して欲しいのだろう。レイトスタートの人がどこで先行選手を追い抜くか、というのもスタッフの興味になっているらしい。ブリーフィングでは後半スタートの対象者が発表され、自分と若岡さんと橋本さん(砂漠マラソンやグランドキャニオンでのレースに参加し、ジオには練習・トレーニングとして参加した60代)の3名だけだった。速い選手と大会から認められたようで、気持ちが引き締まった。望むところである。一般6時に対し、2時間遅れの8時スタートとのこと。
そこかしこでは最大の山場に備えて作戦会議する姿も見られた。

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